8月5日、
演劇のロック・フェス!を、マリメっ子ちゃんとガン観してきました。どの団体も趣向を凝らして独自の世界を創っていて、いやもーほんっと、行って良かったです。
今日は私が感銘を受けた舞台を順不同で書きます。他にも面白い発表が沢山あったのですが、マリメっ子ちゃんも面白いって意見がカブった団体は分担しているので、これだけ書きます。
【カテゴライズできないず】パフォーマンスっていうんでしょうね。
あらた真生(
パパ・タラフマラ)
あらたまお(ぱぱ・たらふまら)東京
「ピクニック〜砂漠編〜」
内容:白いふわふわの優雅で不思議なデザインの服を着たあらた真生さんが、
カルメンのハバネラを流しながら、股に挟んだティッシュ箱から曲に合わせて
ティッシュペーパーを出していく。その動きはとても優美で、かつ激しい。
そして曲を歌謡曲に替えて舞い、曲が終わっても舞う。多分、恋心を表して
もどかしく狂おしい感じのその舞いをひとしきり舞うと、“カツラ”につい
ての“あいうえお作文”の復唱を、発音の良い「Repeat after me.」の声と
滑らかな動きと共に客席にいる人に強要する。その後、激しい動きをしながら
全員にも「嗚呼!ロマ〜ンティック!」という台詞の復唱を求める。
感想:ブラボー!!!こんなに乙女チックで面白くて何でもアリなパフォー
マンスがあったなんて(!)一人で結構大きな舞台にいるのにその広さを
感じさせず、空間を埋める動きの綺麗さといったら……。なのに、こんな
にも、笑えるなんて。と、すっかり虜になりました。
ボクデス(aka.小浜正寛)
ぼくです(えー・けー・えー・こはままさひろ) 東京
「蟹ダンサー多喜二」
内容:「実験にしては楽しそうだがポップにしては不親切な パフォーマンス
を展開するボクデス」の「日本中を震撼させたあのネタ」(チラシより抜粋)。
休憩時間のうちにステージ上にはビニールが張られる(その前のロリータ男
爵の「肉太鼓」の肉の破片を拾ってから)。発表が始まると、クールなメガ
ネサラリーマン(プロレタリアートの意なのだろう)風の若いお兄さんが紙
袋を両手に被せて横歩きで地味に出てくる。曲に合わせて紙袋を落とすと、
そこには、ナマのカニが。曲や照明がディスコ風のダンスミュージックにな
り、お兄さんは曲に合わせてカニを振る。飛び散る汁とカニの足。ラストは
幻想的な照明になり、カニをゆらりと両手に掲げるお兄さん。後ろの幕に映
るシルエットが感動的とも言えるがバカバカしく、私たちにえもいわれない
気持ちをかもし出させる。
感想:マリメっ子ちゃんと私はこの舞台が終わってもずっと笑ってました。そ
したらカニ臭いにおいプーンとしてきて、更に笑いが止まりませんでした。
ボクデスという名前もトボけていて良いです。
グラインダーマン
ぐらいんだーまん 東京
「IRON BUTTERFLY」
内容:男の人たちが身に付けた何かを工具で削って音楽に合わせて火花を出し
ていく。他にも非常ベルを仮面にして鳴らしたり、被り物に眩しいライトを
付けて点滅させたりなど、未来的で雄雄しいパフォーマンス。
感想:こんな舞台は観たことがなかったので、大変感銘を受けました。ロボっ
ぽい雰囲気なので、機械工作好きな人はそそられる人も多いでしょう。途中
から女装をしたりもしていて、その女装姿が綺麗でした。テレビにも結構出
てる人たちみたいですよ。
【演劇】
青年団演出部(せいねんだんえんしゅつぶ) 東京
「ボタン」
内容:赤いボタンが5つ付いた機械の乗った机とがあり、椅子が5つ並んでいる。
そこで男2人があと3人の男が来るのを待っている。ボタンは5つの内1つが死
刑執行ボタンであり、建物の外では死刑反対の暴動が起きていて、残りの3人
はずる休みなどして来ないし、今いる男たちもボタンを押したくはない。そ
のうち死刑囚と会話しちゃったりして、どんどん執行しづらくなっていき―
という話。
感想:死刑執行という非日常を、会話と演出で身近にありそうな人や会話で表
した作品で、人は人を殺して良いのかとか、重いテーマを扱っていました。
「いいじゃん、もう押しちゃおうよ。」とか「ピザなんか一緒に食べたら、
もっと押しづらくなっちゃうよ。」とか「あの人(死刑囚)、下ネタ言って
るよ(笑)。」とかいう会話を繰りかえし、やっぱりボタンを押すという展開
に持って行っていて、日常っぽい軽さがとっても怖かったです。流石は青年
団といった感じで、15分なのにとても良く出来た緻密な劇でした。
石原正一ショー
いしはらしょういちしょー大阪
「run」
内容:漫画喫茶で彼氏と待ち合わせしていたランは、秘密組織に追われた男か
ら「全人類の個人情報」の入ったカバンを受け取ってしまう。ランが受け取
った瞬間、そのカバンからはランの個人情報が発信されるため、ランは秘密
組織の沢山の追っ手から追われることになる。漫画やアニメのキャラクター
などに扮した敵を、漫画やアニメのように倒していくうちに、ラン自身も大
きく成長したり、男になったり、太ったり、痩せたり、テトになってナウシ
カに連れられたりしていき、最後には彼氏のトシオと再会するが―という話。
感想:2クラス分くらいの人数は出演していて、とてもにぎやかな舞台でした。
展開はとてもスピーディーで飽きさせず、ナレーターが横にいて擬音を出す
などとても漫画ちっくで好きな人にはたまらないと言った感じでした。長い
作品も観てみたいです。
ひげ太夫
ひげだゆう 東京
「旅三昧の旅三、湖のぬしに会うの巻き」
作・演出:吉村やよひ
出演:吉村やよひ、成田みわ子、みそ、田嶋繭子、永井ひとみ、林直子、
鈴木のぞみ
内容:旅を続ける旅三という腕っ節が強く男気の有る男がいて、湖畔に住み着く
人の村に着く。村は、バスフィッシングがしたいがために湖を侵略したい隣の
国のバカ殿と戦っており、旅三は用心棒を買って出る―というお話。
感想:子供と一緒に楽しめるほのぼのしたお話で、ヤッコさんみたいな格好だっ
たり民話的な格好の女性達が、全てのものを組み体操のように自分達の体で
表していて、旅三が岩から岩に飛び移るとか、大きなトリさんに乗ったり、
お伽噺チックにを大げさに表しているのが面白かったです。
【ダンス】
ほうほう堂×
チェルフィッチュ
ほうほうどう×ちぇるふぃっちゅ 東京
「ズレスポンス」
内容:女の人2人の対話とか喧嘩とかがずれている様子を、ダンスにしたもの。
感想:ダンスというより、日常の動作や演劇にとても近くて、照明もより日常
的な明かりを再現した演劇的な照明に感じ、また照明の使い方がおしゃれだ
と思いました。全体的に不思議な空気でした。対話してるのに対話できてな
い感じ、気持ちのすれ違いをクールに何食わぬ顔でやり過ごしているかと思
ったら、もどかしい気持ちもあったりして、最後は自分のお互いにキチンと
向き合って干渉しあっているのに、自分の姿勢は崩さず同調したりはしない
2人の関係性がちょっと格好良く見えたりもしました。
【お笑い】
猫ひろし
ねこひろし 東京
「猫ひろしのギャグ百連発」
内容:ポーツマスポーツマス、にゃー、などおなじみのネタと共に、沢山の小
ネタを披露。客席から出てきたり、客席の皆に台詞を言わせといて放置したり、
アンコールでファンサービスとしてサイン入りパンツを配ったりと、15分で猫
ひろしさんを思う存分堪能できる内容。
感想:楽しかったです!客席が付いていってなかったり、ダレた時には、ちゃ
んとお客さんをくすぐって盛り上げる方法を確立していて、芸人さんってス
ゴいなぁと思いました。
桂都んぼ
かつらとんぼ 京都
「動物園」
内容:移動動物園でのアルバイトで、トラの皮を着てトラのフリをすることになった男の話。
感想:広い舞台にちょんと高座を作って座布団を置き、噺家が座ると客席も
スッと空気が変わると思いました。話芸と言いますが、動きと話しの調子は
まさに芸☆ 生の落語は一回観るとまた行きたくなります。
【音楽】
アリナレ&パレ
ありなれ&パレ 名古屋
「KOREA Rythm&dance〈神明〉」
内容:全員女性で、後ろに1個、左右に2個ずつある太鼓を踊りながら敲いたり、
激しく美しい音楽と動きが観れる。宮廷女官チャングムのような格好で太鼓
を敲く部隊と、兵隊さんっぽい白い服で頭にリボンを付けて鼓笛隊みたいに
して頭のリボンをクルクルまわす部隊と分かれていた。
感想:練習というより訓練を重ねてきたのだろうと思われる、彼女達の揃った
動きは、女の強さを感じさせます。客席は皆でわーっと拍手しました。
CHAI FOUND MUSIC WORKSHOP
ちゃい・ふぁうんど・みゅーじっく・わーくしょっぷ 台湾
「Ambush!」
内容:二胡と中国琵琶の生演奏。演奏風景やイメージ映像も背景に合わせて流し
ていて、二胡ははるかなる悠久の大地を髣髴とさせ、中国琵琶は激しい色んな
歴史観を想像させた。
感想:二胡と中国琵琶の生の演奏を聴くのは初めてで、その音色にしびれました。
演奏者が大変上手で、二胡はゆっくりしっかり弾いていて、中国琵琶は指が
何本もありそうな勢いでどわーっと弾いていました。シンの強い演奏でした。
サテライト・イベントとして会場の外でも路上パフォーマンスをやっていたのですが、13:30〜9:25まで会場で舞台にかじりついていたので、サテライト・イベントをそんなに観れなかったのは心残りでした。
最初だけちょっと観れたのは、着ぐるみで踊っって子供たちにおもちゃを配ったのと、風船で剣とか花の腕輪とかお人形さんを作ってプレゼントしてるパフォーマンスとで、とっても和みました。